業界に身を投じたのは、10代後半のことでした。
最初に教わったのは「色恋」、つまり感情を使って人を動かす技術でした。ホストとしてその技術を叩き込まれましたが、目の前の女性を「売上のための対象」として扱う構造に違和感が消えず、ホストの世界を離れ、スカウトの仕事に移りました。
最初は、スカウトの仕事を「女の子の選択肢を広げるサポート」だと信じていました。でも、現場を知るほど、構造のおかしさが見えてきました。
ほとんどのスカウトは、自分のバックが大きい店に女の子を優先的に送ります。スカウトを通すことで、女の子の給料からスカウトバック分が間接的に引かれているケースもありました。
「これは『女の子の選択肢を広げる仕事』ではなく、『女の子の取り分を削る仕事』だ」と気づいたとき、足元が崩れる感覚がありました。
業界には、もともと「女の子の側に立った情報」が圧倒的に少ない。スカウトも、求人サイトも、どこかに偏っている。2025年に改正風営法でスカウトバックが規制されましたが、業界の構造そのものはまだ変わっていません。
10年で目にしたのは、その構造に巻き込まれていく女の子たちの姿でした。合わない店で消耗し続ける子。本来得られたバック率より低い条件で働かされていた子。確定申告のことを誰にも聞けず、後から追徴を背負った子。子どもを預ける場所が見つからず、出勤を諦めた子。住まいの審査で何度も落とされ、自分を責めていた子。
業界の中ではそれが「仕方ない」とされていました。でも、本当にそうだろうか——その問いが、年々消えなくなっていきました。
「もし、業界の外側に信頼できる味方がいたら、
この子の人生は全然違ったはず。」
何度もそう思いました。けれど、その「味方」になれる場所は、業界の中にも外にも見当たりませんでした。なら、自分たちで作るしかない。業界の利益関係から完全に独立して、女の子の利益だけを基準に動く場所を。
それがYORUSOIです。
スカウトバック・送客手数料・店舗からの紹介料に依存しない仕組みを維持することで、中立性を守っています。掲載する情報も、紹介する提携先も、すべて「女の子に損をさせない」という基準だけで判断します。
夜職で働く理由は人それぞれ。短期間で稼ぎたい人、家族を支えるために頑張る人、自由な働き方を求める人。どの理由も否定されるべきではありません。
ただ、その選択が「損をする選択」になってはいけない。それが、業界の中で10年見てきた私たちが、出した答えです。